「キャリジョ研」レポートVOL.5 いまどき女子のインサイトを徹底分析! キャリジョ研的消費のツボ2016(前編)
今回のキャリジョ研レポートはキャリジョ研メンバーによる座談会の様子を2回に分けてお届けします。前半では、これまでキャリジョ研が徹底分析してきた働く女性の消費インサイトからいくつか具体的なキーワードをご紹介。いまキャリジョ達に何が流行っていて、何が売れているのか。そこからキャリジョ達のどんな消費トレンドが見えてくるのかをあらためて概観しました。
瀧川:キャリジョ研ホームページ内「キャリジョ’ s eye」は、キャリジョ研が考える働く女性の消費のツボです。これまで様々な視点で議論しながら、私たちが分析してきた消費トレンドとそのインサイトの一部を、ここであらためて振り返ってみましょう!
西谷:まずは「なかよし確認消費」。
なんで最近テーマパークなんかでおそろいの服を着る女の子が増えているんだろう?というところから議論が始まりました。よくあるコスプレだと、お店で売っている服を買ってみんなで着るわけですが、それなら誰でもできてしまう。最近のコスプレはその配役・配色に意味があって、それぞれのキャラを良く知ったうえでぴったりのコーディネートにするんですね。そもそもそのメンバーじゃないと成り立たないんです。だからTシャツとか小物類を買って自分たちなりにアレンジもする。仲良し感が伝わる写真はSNSでも「いいね」がつきやすいので、それも想定しているところがあります。
松井:続いて「ビビッドカラフル消費」。これだけインスタが流行ってみんながいろんな写真を投稿していると、単なるコーヒーとケーキなんかだと素通りされて「いいね」がつきにくくなってしまう。そこで、大量の写真をスクロールする中でも目に留まるように、パっと見ですごく目立つ、かつカラフルで楽しげな写真が増えているんじゃないかと。それに伴って、お店なんかでも写真に撮られるのを意識したようにカラフルでかわいい世界観でディスプレイされていたり。それが消費を後押ししているようにも思います。
宇平:「本能くすぐり消費」というのは、ちょっと前まで「かわいいはつくれる」というコピーが象徴するように“盛る”ことで演出するかわいさが支持されてきましたが、揺り戻しが来ているねという話をしていて。まったくのすっぴんというわけでもないけど塗ったようにも見えない、男の人が見たらちょっとドキッとしたり、よくわからないけど守ってあげたいと思ってしまうような(笑)ナチュラルで火照っているように見えたり、湯上りっぽく見えるようなメイクが流行りつつある。練りチークをぼかすなどの使い方で、程よい抜け感を出してセクシーさを演出するようになってきているのではないかと考えました。
伊藤:それから「戦略的オタク女子」。最近よく見かけるようになったのが「カープ女子」とか「鉄子」など、いままで基本的に男性がオタクっぽく追求していた趣味を「実は私も好きなんです」って言っている女子。もちろん本当に好きで楽しんでいる子もいると思いますが、一方で、そうした趣味を“戦略的に”選んでいる女子もいるはずだと考えました。「男性の趣味も楽しめるわたし」を演出することで、敷居の低い、とっつきやすさをアピールしているのではないかと。「ラーメン女子」も同様に説明できると思います。
瀧川:そのバリエーションで、「男子ホイホイ消費」というのもありますが、これはよりファッションに寄せて考えたもの。友だちみたいに付き合えるっていうところがポイントで、ファッションのトレンドとしてスニーカーやリュックを取り入れることで、男の子とのコミュニケーションをとりやすくしているんじゃないかなという。
松井:もともとはおそらく単純に個性を際立たせたいという気持ちがあって、でも女性向けのものって他の人とかぶりやすくなる。そこでエッジをたてるために、男子向けのファッションを取り入れるという方向に行ったのかもしれない。さらにそこに、「男子と仲良くなりやすくなる」という、戦略的な動機が上乗せされた感じでしょうか。
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キャリジョ研が分析するいまどき女子の消費インサイトの数々、いかがでしたでしょうか。後編では、そんな彼女たちが考える2016年のトレンドについてご紹介します。
キャリジョ研って?
「働く女性」(キャリジョ)をテーマに、博報堂および博報堂DYメディアパートナーズの女性マーケティングプラナー、プロモーションプラナー、メディアプロデューサーにて立ち上げた社内プロジェクト。
女性のトレンドを集めたインサイト分析や、有識者ヒアリング、女子会形式の定性調査、インターネットによる定量調査、クラスター調査などから「働く女性」を徹底的に分析。
その成果を社内外のナレッジとして共有し、日々のマーケティング・プランニング業務に生かしている。
(写真前列左から博報堂DYメディアパートナーズ 雑誌局瀧川千智、(以下全て博報堂)MD戦略センター 第一プラニング局伊藤祐子、MD戦略センター ショッパー・リテールマーケティング局買物研究所松井博代、MD戦略センター アクティベーション企画局岡村実玲
後列左からMD戦略センター 第二プラニング局仙石エミ、MD戦略センター 第一プラニング局西谷麻衣、MD戦略センター 第一プラニング局瀧口希望、MD戦略センター アクティベーション企画局白根由麻、MD戦略センター 第一プラニング局宇平知紗、MD戦略センター 第一プラニング局正能茉優)
(撮影:亀山倫華)
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