2022.05.27
博報堂DYグループが推進する広告メディアビジネスのDX「AaaS」について分かりやすく紹介する本連載。第9回目のテーマは、今年2月にリリースしたAaaS for startupについてです。今回、スタートアップに特化した新サービスを立ち上げた経緯や意図などについて、AaaS for startupの立ち上げ・推進を行っている博報堂DYメディアパートナーズAaaSビジネス戦略局の大谷 観と、数々のスタートアップのコンサルティングに携わってきた統合アカウントプロデュース局の松浦 伸二に話を聞きました。
――そもそもAaaS for startupとはどのようなサービスなのでしょうか
大谷:
博報堂DYグループが提唱する広告メディアビジネスの次世代型モデルである“AaaS”を活用した、スタートアップ向けサービスとなっています。“AaaS for startup”では、AaaSソリューションをフル活用しながら、メディア投資におけるあらゆる領域(戦略・クリエイティブ・メディアなど)を一気通貫で支援することで、スタートアップ企業の事業成長の実現を目指します。今年2月にサービスをローンチさせて頂きましたが、ありがたいことに、すでに多くのお客様から弊社HP(https://www.hakuhodody-media.co.jp/aaas/afs/lp_01/)よりお問い合わせを頂戴しております。
――サービスの詳細・特徴についてもう少し詳しく教えてください
大谷:
メディア投資におけるPlan・Do・Check・Actionの4つに分けて説明させてください。
まずPlanについてです。弊社には、各スタートアップの事業・ビジネスモデルを理解したAaaSコンサルタント・マーケティング・クリエイティブの専門家が数多く在籍しております。それらの人材が、これまで博報堂DYグループに蓄積されてきたマーケティングノウハウをフル活用しながら、各スタートアップ企業にとって最適なプランをオーダーメイドでご提案させていただきます。具体的には、各クライアントの事業KPI達成に向けて、市場調査、コミュニケーション戦略策定、クリエイティブ制作、メディアプラニング、広告枠のバイイング、効果検証、運用までを一気通貫で行い、マーケティング支援をいたします。
次にDoにおいては、ご提案した最適プランを実行していく強力なメディアバイイング力が特徴です。放送局と長年の信頼関係や日本最大級のテレビCM取引実績(年間約3500億円)を持つ博報堂DYグループだからこそできるメディアバイイング力で、スタートアップ企業のKPIごとに最適な広告枠をご提供します。TVだけではなく、デジタルメディアや新聞・タクシーなど膨大な媒体運用ノウハウを保有しているため、認知から獲得まで一貫した広告枠の買い付けをお任せ頂けます。
そしてCheckにおける特徴は、博報堂DYグループのAaaSソリューションを活用し、メディア広告出稿の効果をダッシュボードで即時可視化していく点になります。テレビ広告やデジタル広告の出稿状況はもちろん、視聴率やimpなどといった媒体毎の効果指標だけではなく、事業KPIへの効果を最速翌日に反映・可視化することができるダッシュボードをご提供することが可能です。対応可能な事業KPIとしては、WEB上でのコンバージョン・アプリダウンロード・指名検索数・ブランドリフトなど多岐にわたります。事業KPI起点で、最適なクリエイティブ素材・メディア・放送枠/メニューなどを把握することが可能です。
そして最後にActionでは、ダッシュボードを用いて投資効果を可視化した(Check)うえで、テレビ、デジタルそれぞれについて媒体アロケーション・最適素材などについて、“高速運用”が可能です。最短でテレビは3~5営業日・デジタルは1営業日での運用への反映が可能です。また、短期的なActionはもちろんですが、中長期的な視点でも、実施したメディア出稿の効果をAaaSコンサルタントが分析し、今後のビジネスグロース戦略の提案と実現へとつなげていきます。
松浦:
大谷からサービスについての説明がありましたが、最も大きな特徴は“人”だと思います。博報堂DYグループにはスタートアップ企業のメディア投資を活用した事業グロースに数多く携わった実績のあるAaaSコンサルタント・マーケティング・クリエイティブの専門家が数多くいます。例えば、メディアプラニングにおいては、博報堂DYグループに蓄積されたメディア出稿効果のノーム値などから、最も効果が見込まれるメディア投資予算配分、その場合の事業KPIへの効果シミュレーション・ROIの試算をおこなうことが可能です。その他、マーケティングやクリエイティブについても、膨大な過去事例、ナレッジ、ソリューションを武器に、確実性の高いコミュニケーション戦略をご提供できる体制が整っています。また、ただ出稿するだけではなく、出稿期間中から、短期視点・中長期視点で、最適な運用・提案を、事業パートナーとして並走していきます。
――スタートアップに特化するにあたって、意識していることはありますか?
松浦:
メディア投資による事業貢献を最も意識しています。スタートアップ企業にとって、特にテレビ出稿は大きな投資になります。大きな投資であるからこそ、これまでメディアの評価指標として一般的に用いられていた、テレビの視聴率やimp・CTRといった観点からだけではなく、メディア投資による、事業成果へのダイレクトな効果の可視化・貢献を最も意識しています。
――近年デジタルの存在が強まる中、テレビに出稿するという意味についてはどのように考えておりますか。
松浦:
確かに、以前に比べてデジタル広告の力は強まっています。しかし、テレビ広告にはまだまだ大きなマーケティング効果があります。直接的な効果で言えば、一度に多くの生活者にリーチできる事による新規獲得数の増加。また認知率が上昇することによってデジタルでの獲得効率の向上などが見込めます。それ以外の間接的な効果としては、社内のインナーモチベーションアップや、企業への信頼性の向上、採用力強化などの間接効果もあります。
大谷:
以前メディア環境研究所(出典:https://mekanken.com/mediasurveys/ )の実施した調査でも、デジタル媒体の伸びによって1日当たりのメディア総接触時間が上昇しているが、一方でテレビへの接触時間自体は減っていないという事が分かっています。
確かにデジタル媒体の伸びは大きいかもしれませんが、テレビは未だ強力なコミュニケーション効果を持っています。
松浦:
また、テレビ投資による効果を、まずは比較的安価な地方エリアでのテスト出稿から始める提案を行うこともあります。地方エリアでのテストを通して、テレビの効果を検証するだけではなく、最適なクリエイティブ・番組ジャンルなどの傾向を把握します。その後、傾向を踏まえたうえで大都市圏への出稿を行うことで、テレビ出稿の成功率をより高めることが可能です。テストエリアの選定についても、クライアントの提供サービスに合わせて、ご提案させていただきます。
――今後の展望などお聞かせください
大谷:
私たちは、AaaS for startupを通して、スタートアップ企業のパートナーとして、メディア投資をサポートさせて頂き、事業グロースに貢献していきたいと考えています。事業グロースのための投資先として、テレビを含むメディア出稿を検討して頂けるように、今後も更なるアップデートを目指していきます。
松浦:
直近でメディア出稿をお考えでない場合でも、マーケティングにまつわる課題がございましたら、多種多様な専門性を持ったスタッフが弊社グループにはおりますので、是非一度お気軽にご相談いただければと思います。
松浦 伸二
博報堂DYメディアパートナーズ
統合アカウントプロデュース局
局長代理
大谷 観
博報堂DYメディアパートナーズ
AaaSビジネス戦略局
戦略1部
兼 博報堂 データドリブンプラニング局
ビジネスプラナー/メディアプラナー