2022.06.28
ラップを題材として、AIによる人の創造性拡張などに関する研究開発「AIラッパープロジェクト」
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「AIラッパープロジェクト」では、博報堂の創造性に関する研究開発機関 UNIVERSITY of CREATIVITY(UoC)が主体となり、ラップを題材として、AIによる人の創造性拡張などに関する研究開発を行なっている。
ATL所属の小山田は、AIエンジニアとして、「ラップらしい音声合成」、「韻を踏んだ歌詞生成」に関する開発を主に担当。
これまでの活動
UoC主催のフォーラム「CREATIVITY FUTURE FORUM」では、ラッパーである「呂布カルマ」氏協力のもと、人とAIのラップの違いに関する比較や、人とAIによる共同作詞を行った[1]。特に共同作詞では、呂布カルマ氏がリリカルさを感じる歌詞が生成される一幕もあった。
また、AIラッパーの一部機能は、「毎日新聞×Z世代プロジェクト」[2]にて活用されており、作成した映像の中にはTikTok上で100万回再生を超えたものもある[3]
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呂布カルマ氏とAIの歌詞共創
韻を踏んだ歌詞生成について
ラップという表現方法では、一般的な歌よりも、特に小節の末尾で韻を踏んだ歌詞を作成するケースが多いと考えられる。
一方、一般的な歌詞(文章)生成では、モデルの構造上、小節(文章)の始まりを指定し、それ以降を生成することはできるが、小節の終わりを指定し、その手前を生成することは難しい。つまり、一般的なモデルでは、小節末尾で韻を踏んだ歌詞を生成することは難しい。
そこで我々は、歌詞をトークン化した後、小節単位でトークンの順番を反転させた状態で、モデルの学習を行った。これは歌詞を小節末尾から生成していくイメージに相当する。
この構造では、生成時に小節末尾の単語を指定して歌詞生成することができ、各末尾に韻を踏んだ単語(フレーズ)を指定すれば、最終的に生成される歌詞は韻を踏んだものとなる。
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歌詞生成過程のイメージ
具体的な歌詞生成結果は、随時Twitter上などで公開しているため、ぜひご参照ください。
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> 博報堂と博報堂DYメディアパートナーズ、毎日新聞と「AIラッパーシステム」を活用して、双方向型の新しいメディアを創造する「毎日新聞 × Z世代プロジェクト」を開始