2024.12.11
「AIラップ名刺 MY PUNCHLINE」入賞報告
AaaS Tech Labの小山田が企画・開発に関わった「AIラップ名刺 MY PUNCHLINE」が、2024 64th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS メディアクリエイティブ部門[1]に入賞致しました。
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AIラップ名刺 MY PUNCHLINEとは
AIラップ名刺 MY PUNCHLINE(以下、AIラップ名刺)は、生成AIとラップの力で名刺をアップデートし、コミュニケーションのキッカケを生むことに挑戦したプロダクトです。
以下の図のように、簡単なプロフィール情報(趣味 / 出身地 / 職種 など)を入力すると、「AIラッパー」[2]が自己紹介ラップ楽曲を生成します。さらに、生成AI映像サービス「H-AI NARRATIVE」[3]により、ラップ楽曲とプロフィール写真から、自分がラップで自己紹介しているようなミュージックビデオが生成され、デジタル名刺として交換ができます。
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開発背景
昔から名刺は、名前や所属を示す重要な紙のメディアとして利用され、特にビジネスにて初対面のお相手とのコミュニケーションの場で交換されることが慣習となっています。
しかし日本の生活者の77.3%は「初対面のコミュニケーションは苦手」と感じ、その多くが「話題作りに困る」と悩んでいます。 (調査結果出典はこちら[4])
実際、自分自身も懇親会やバンケットなどの場に一人で訪れた際、どなたと会話したら良いか、会話の糸口をどう掴むか困ってしまう経験がよくあります。
こういった苦い経験も踏まえ、一般的な名刺とは異なり、話しかけるキッカケや話題の種にもなる名刺を作ることはできないか。そんな名刺を交換することで従来よりも名刺交換が、円滑で楽しいコミュニケーションの場にならないかと考えました。
そこでラップが持つ伝達力の高い言語表現「ライム(韻)」「パンチライン(印象的なフレーズ)」を取り入れ、AIが自己紹介ラップ動画を自動生成するサービスの開発に至りました。
入社式での活用
AIラップ名刺は、2024/4/1に実施された(株)博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ 合同入社式にて活用されました。式の中では、社長と新入社員、新入社員同士でAIラップ名刺を生成し交換し合いました。
特に、初対面の方も大勢いる入社式という場の緊張感や不安感が和らぎ、コミュニケーションのキッカケ作りに繋がった点に、AIラップ名刺で目指してきたことの片鱗を感じました。
入社式で活用された様子は、新聞やニュース番組などのメディアに取り上げていただきました。
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AIラッパーについて
「AIラッパー」とは、博報堂の創造性に関する研究機関である「UNIVERSITY of CREATIVITY[5]」にて進めてきたプロジェクトであり、小山田が開発を担当しています。
AIラップ名刺のなかでは、ラップ(歌詞 および 音声)を生成するシステムに「AIラッパー」が活用されました。
AI技術が発達する中、様々なアップデートを重ねてきましたが、今回は以下のような機能を活用しております。
・歌詞生成
ChatGPTと韻のデータベース(独自開発)を組み合わせたロジックを開発。
データベースと連携することで、韻を踏むことが得意ではないChatGPTに、韻を踏みつつプロフィール情報にも合った歌詞を生成させることができました。
・音声合成
ラップに特化した学習音声データセット、独自の音声合成モデルを開発。
様々なBPMにあった対応しており、リアルタイムに人間のラップに近い音声が生成できるようになっています。