2023.02.01

【日経電子版タイアップ広告 連載第2弾】事業成果につながるマーケティングの実現へ マーケティングと売上の因果関係をAnalytics AaaSで解き明かす

博報堂DYグループが2020年12月にリリースした広告メディアビジネスの次世代型モデル「AaaS(Advertising as a Service)」。その目玉の1つともいえるのが、マーケティングプラニングに特化したMMM(マーケティング・ミックス・モデリング)サービスの「Analytics AaaS」だ。このサービスの特徴や導入効果などについて、開発責任者の博報堂データドリブンプラニング局データサイエンス部の部長、宮腰卓志氏に話を聞いた。

マーケティング活動を可視化し、投資配分を最適化

マーケティング活動を可視化し、
投資配分を最適化

──Analytics AaaSのお話の前に、MMMが今なぜ脚光を浴びているのか教えてください。
宮腰:
広告効果を分析・評価・予測できる新たな仕組みとして、昨今MMMが注目されているのは確かです。その理由について、少し過去を振り返って説明しましょう。
2010年ごろから、デジタルマーケティングの世界ではWebブラウザの利用履歴を追跡できるクッキーを活用し、広告出稿と購買との間の因果関係を測定・評価する「アトリビューション分析」が急速に普及しました。ちょうど一部の企業の間で「CMO(Chief Marketing Officer)」の役職を新たに設けて、「広告の効果やROI(投資利益率)をきちんと定量化・評価しよう」「広告予算の配分を最適化しよう」という動きが活発化したころです。
そこで、この分析手法を使えばあらゆる商品の広告効果を定量化・評価できるのではないか、との機運が高まりました。ところが、実際にはすべての商品がEC(電子商取引)で販売されているわけではありません。例えば耐久財・消費財は現在でもEC化率は10%未満なので、こうしたカテゴリーでは広告接触と購買行動をひも付けることは困難です。加えて20年以降になると、個人情報保護の観点からクッキーを使った消費者行動の追跡にさまざまな制限が掛かるようになり、クッキーに頼る従来型のアトリビューション分析の効果も目に見えて低下してきました。
MMMはこうした制約がある中で、広告などのマーケティング活動が事業成果へどのように貢献しているのかを解明するアプローチとして、再注目されているのです。
──そうした背景から、MMMのサービスとしてAnalytics AaaSの提供に至ったのですね。
宮腰:
その通りです。Analytics AaaSは、MMMの手法を使って広告などのマーケティング施策と購買の関係を数字で説明し、マーケティング活動を「見える化」します。その上で、売上に影響する重要指標を見つけ出すことや、マーケティングの投資配分を売上起点で最適化することを可能にするサービスです。
MMMとは一体どのような仕組みなのか、簡単に説明しますと、まず商品やブランドが購入されるまでのプロセスと、それぞれのプロセスの状態を示すデータを整理していきます。例えば、広告出稿や売上、サイト来訪数や店舗来店数、Web検索やSNSデータなどです。次にこれらを集めて、データ間の相関係数と因果関係に沿って数式化していきます。数式化することによって、過去のマーケティング施策の効果を分析・評価したり、これから実施する施策の効果を予測したりすることができるのです。
マーケティング施策の事業貢献を分析するMMM

従来のマーケティング課題を解決、耐久財・消費財も対象に

従来のマーケティング課題を解決、
耐久財・消費財も対象に

──博報堂DYグループでは早くからMMMに取り組まれていたと聞きます。
宮腰:
はい。Analytics AaaSは20年12月にリリースしましたが、実はその前身となるMMMのサービスは17年から提供を始めています。当時は世界的にもMMMの製品・サービスはまだ数が少なく、かなり先進的な取り組みだったと言えます。また、消費者の行動を確率的に説明する高度な分析手法(ベイジアンアプローチ)を業界に先駆けていち早く採用するなど、当時から技術面においても先頭を走っていると自負しています。
──Analytics AaaSを利用することで、企業はどのようなマーケティング課題を解決できるのでしょうか。
宮腰:
オンライン上で購買が完結する商材はもちろん、耐久財や消費財についてもAnalytics AaaSを適用することが可能で、広告効果を正確に評価・予測できるようになります。
各施策の投資対効果を横断的に把握可能に
また、キャンペーン施策の効果測定における課題の解決策としても有用です。従来はキャンペーンの実施前と後でそれぞれ調査を行い、消費者の態度がどのように変容したかを評価する「キャンペーントレース評価」がよく使われていました。この方法は単発のキャンペーンの効果を評価する手法としては有効ですが、継続的に実施するキャンペーンを評価するには何度も繰り返し調査を行う必要があり、作業負担の大きさの面や金銭面から見てあまり適しているとは言えません。これに対してAnalytics AaaSでは、キャンペーンの効果をいったん数式化できれば、後は任意のタイミングで評価・予測できるようになります。
──Analytics AaaSは、貴社が提唱する広告メディアビジネスの次世代型モデル「AaaS」を構成するサービスの1つと位置付けられています。AaaSに含まれる他のサービスとはどのような関係にあるのでしょうか。
宮腰:
AaaSには、テレビやWebといった各メディア別の広告効果をより詳細に可視化・最適化できる「Tele-Digi AaaS」「TV AaaS」「Digital AaaS」といったサービスが含まれています。Analytics AaaSの役割はマーケティングプラニングと、これらのメディアプラニングをつなぐことにあります。広告だけでなく、店頭施策や流通対策・営業活動などマーケティング4P(Product/Promotion/Place/Price)の要素を網羅して数式化することで広告の貢献分を割り出し、その上でテレビ/Webだけでなく、あらゆる種類のメディアの広告効果を横串で比較することができます。
従って、Analytics AaaSを使ってマーケティング施策全般を分析した結果、メディアごとにより詳細な効果測定が必要となった場合は、そのままAaaSの他のサービスが対応します。このようにマーケティング戦略から個別のメディア施策に至るまで、マーケティング・広告に関するすべてのプロセスを一気通貫でカバーできるのがAaaSの強みだといえます。

多彩な数理モデルと分析の切り口、充実した人的支援

多彩な数理モデルと分析の切り口、
充実した人的支援

──Analytics AaaSの具体的な機能や利用イメージについて簡単に教えてください。
宮腰:
Analytics AaaSは専用のダッシュボード画面をご用意します。その上で、過去データの分析結果や将来予測の結果をグラフやチャートなどで参照できます。これらの情報を活用することにより、過去の広告出稿の効果検証や、次年度のマーケティング予算や次期キャンペーンの企画を策定するための各種KPI(重要業績評価指標)のシミュレーションなどが可能になります。このダッシュボードの構成や見た目はお客様ごとにカスタマイズできますし、既にBIツールを導入されている場合は連携によってそちらを利用することも可能です。
Analytics AaaSのダッシュボード画面例
──MMMサービスの開発者責任者の立場として、Analytics AaaSならではの強みとは何でしょうか。
宮腰:
他のMMMサービスの多くは、どの商品カテゴリーに対しても同じ数理モデルを当てはめて分析しますが、Analytics AaaSは商品特性に応じた多彩な数理モデルを使い分けることでより高精度の予測が可能になっています。例えば従来は難しいとされてきた消費財の予測モデルも、最適な数理モデルを組み合わせることで実現しています。
──Analytics AaaSの導入や運用の面ではどのような強みがありますか。
宮腰:
導入時にはまず分析に必要なデータを収集し、それらを基に分析モデルを構築していきます。その作業過程においては、弊社のマーケターやメディアプラナー、データサイエンティストとお客様との間で定期的にミーティングを開催しながら、分析ロジックを共有しディスカッションするようにしています。また導入後の日々のデータ集計・分析といった運用作業は基本的に弊社がすべて行いますので、お客様は煩雑な業務から解放されます。こうした人的支援を非常に手厚くしている点も、Analytics AaaSの注目いただきたい特長の1つであると自負しています。
Analytics AaaS 3つの特長

よりクリエイティブで戦略的な仕事に専念できる世界へ

よりクリエイティブで戦略的な仕事に
専念できる世界へ

──実際にAnalytics AaaSを導入した企業は、具体的にどのような効果を上げているのでしょうか。
宮腰:
ある商品ブランドでAnalytics AaaSを用いて予算配分の最適化を行ったところ、当初想定していた予算配分と比較して2倍の効率で広告施策が実行できるとの予測を提示できました。実際にその予算配分で施策を行うと予測通りの結果を出すことができ、収益性の向上につながりました。また、マーケティング活動の事業貢献を構造化・定量化することには、社内におけるマーケティング活動のノウハウ蓄積・共有を促進する側面もあります。マーケティングの分野には暗黙知も多く、業務の引継ぎが困難なこともあるため、そういった面でも効果を発揮することが期待できます。
──最後に今後のサービス強化の計画や、将来に向けた展望などについてお聞かせください。
宮腰:
Analytics AaaSは業種や商材ごとに特化した数理モデルの組み合わせを様々ご用意していますが、その対応領域をさらに拡張していくことを計画しています。例えば最近リリースした消費財カテゴリー特化の「Analytics AaaS for CPG」では、「生活者がブランドを選択するのは店頭が多い」という消費財の購買行動の特性を踏まえたモデルを採用しています。また、販売店舗数や棚割りの状況といった流通・店頭施策の影響度が大きいという消費財ならではの課題に応えるため、新たに開発した「配荷方程式™」と連携することで、店頭・流通施策の配荷力への貢献を可視化し、分析・改善することもできるようになりました。
Analytics AaaS for CPGのソリューション構成
また過去に行った施策に基づく分析・予測だけでなく、これから新たに実施する施策を踏まえて将来を予測できる分析モジュールも追加する予定です。こうした機能強化を通じて、真のマーケティングDXを目指されるお客様のご期待に応えていきたいと思います。そして、メディアの運用や効果測定といった定型的な業務はどんどん自動化していき、広告に携わるすべての人々がよりクリエイティブで戦略的な仕事に専念できるような世界を創りたいと考えています。
──ありがとうございました。
※2022年12月14日~2023年1月31日に日経電子版広告特集にて掲載。掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます。
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