コラム
学生が等身大の”らしさ” を表現できる採用活動を
──博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ採用担当者座談会【後編】
COLUMNS

「ポジティブな就職活動」を実現するために必要なこととは何か──。採用活動のトランスフォーメーションに全力で取り組む博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ採用担当者座談会の後編をお届けします。新卒採用の概念を大きく変えるさまざまな取り組みと、そこにかける熱い思いを前編、後編に分けて語ってもらいました。
前編では、2022年度新卒採用の具体的な5つの施策のうち、「エントリーシートの刷新」「選考ステップの公開」への取り組みに触れました。今回お届けする後編では残り3つのチャレンジについて説明します。

瀬 和成
博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ 人事局 人事部
マネジメントプラナー

山本 桃子
博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ 人事局 人事部
マネジメントプラナー

秋葉 遼太
博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ 人事局 人事部
マネジメントプラナー

小林 由佳
博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ 人事局 人事部
マネジメントプラナー

誰もが参加できるコミュニケーションサロン

秋葉
三つめの施策である「ハクスクは、キャリアについて「肩書にとらわれず、博く学べる場所(Square)」をコンセプトにした、登録制のオンラインコミュニケーションサロンで、2022年度の採用活動が本格的に始まる前の2020年12月にオープンしました。
博報堂や博報堂DYメディアパートナーズの社員へのインタビュー記事などを通じて、学生の皆さんに社会人の実像を知ってもらい、キャリアについて考えるヒントにしてもらうというのが基本的なねらいです。

就活生のための期間限定のウェブサイト用コンテンツではなく、大学生、大学院生であれば誰でもいつでも参加できる点に「ハクスク」の大きな特徴があります。もちろん、学部の一年生、二年生でも参加でき、就活を始める前からキャリアについて考えられるプラットフォームは、これまでおそらくほとんどなかったと思います。

山本
「ハクスク」をオープンしてから、学生の皆さんとの距離がぐっと近くなりました。今まで学生の生の声を聞くには就活エージェントが主催する合同説明会に登壇することがほぼ唯一の手段となっていましたが、それがある種BtoCのような形で三、四年生に限らず、全学年の声を直接タイムリーに聞くことができるような選択肢が増えたという点でも、今の時代に合ったプラットフォームだと感じています。

秋葉
「ハクスク」を活用したオンラインイベントも、これまで何度か開催してきました。オンラインセミナー形式で社員にも参加してもらったのですが、いわゆる「会社説明会」のような堅苦しい形式のものではなく。「一企業の社員と学生」という関係でコミュニケーションがとれる点が新しいと感じました。今後もどんどんコンテンツを増やして、イベントも企画してきたいと思っています。

OB・OG訪問の課題を解決するプラットフォーム

小林
「ビズリーチ・キャンパス」を活用したOB・OG訪問の機会拡大が四つめの施策です。就活ではOB・OG訪問が非常に重要なのですが、以前は知り合いの伝手を辿るくらいしか社員と巡り合う方法がありませんでした。人事局に学生から「御社にとても興味があって、社員訪問をしたいのですが、伝手がないので紹介していただけませんか?」といった問い合わせがあっても、「すみません、こちらからご紹介することはできないんです」とお断りするしかないのは、とても心苦しいことでした。加えて、地方や海外大学の学生が来社してOB・OG訪問をするのは、費用面でもかなりの負担になります。

そういった問題を解決するマッチングプラットフォームの一つが、「ビズリーチ・キャンパス」です。伝手がなくても、地方・海外にいても、コロナ禍によってリアルな接触が制限されていても、オンラインで社会人とコミュニケーションできるので、最近では就活生の活用が急速に伸びています。私たちもこのサービスを2022年度採用から使うことにしました。

秋葉
学生時代は社会人と話す機会がほとんどないかと思いますので、こういうサービスは就活生にとってとてもありがたいですよね。希望する会社の雰囲気や仕事の内容を直接聞けますし、意中の会社以外の情報も参考にすることができます。

山本
また採用側としても、例年学生が博報堂/博報堂DYメディアパートナーズを志望する際の決め手になる「粒ぞろいより粒ちがいな人材が集まっている」という強みを、社員とのOB・OG訪問を通じて学生に直に知ってもらうことができるという点で、学生にとって納得感のある就職活動ができると考えています。

──博報堂と博報堂DYメディアパートナーズは、「ビズリーチ・キャンパス」が主催する「OB/OG AWARD」のバリュー賞の準グランプリを受賞しました。


活用を開始してから1年も経っていないのに、博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ社員への訪問回数は2000件を超えています。その点を評価していただいたようです。博報堂はそもそもコミュニケーションを生業にしている会社ですから、学生に対しても真剣に向き合う社員が多いです。そんな文化によって獲得できた賞だと思っています。

人事部メンバーが採用メッセージを直接伝える

山本
五つめの施策が「自社説明会のDX化(博’FES ONLINE)」です。2021年度新卒採用では、コロナ禍によって3月に予定していた自社説明会が直前で中止となりました。これをある意味チャンスと捉え、従来の説明会の課題を洗い出した上で、新しい形での説明会にリニューアルすることにしました。

まず今まであった大きな課題として、「博報堂/博報堂DYメディアパートナーズの自社説明会を見に行きたい」を思っている数千人規模の学生に対し、対面実施による受け入れ可能数が大幅に限られてしまっていたことです。参加に意欲的な学生がこんなに大勢いるのに、インフラ面でそれが叶えられないのは大きな機会損失だと考えました。なのでコロナ対応のために場当たり的なオンライン化をするのではなく、アフターコロナでも「博報堂/博報堂DYメディアパートナーズのオンライン説明会ってすごいらしい」と思ってもらえるように、グループ会社との協業を通じて持続可能な配信環境を整えました。

それから、博報堂/博報堂DYメディアパートナーズの良さである「多才で粒ちがい」な社員の魅力が全面的に伝わるように、生放送という体裁を生かして社員と学生とでインタラクティブコミュニケーションが取れる構成にしました。一般的な説明会では、決まった台本に沿って、司会がきっちり進行していきますが、それに対してこのオンライン説明会では、スピーカーを務める社員に大まかな流れを伝えて、自由にに話してもらうことにしました。また話すテーマについてもリアルタイムで学生にアンケートを取り、その場でお題を決めて進行したり、チャットで質疑応答もしながらと、とにかく企業からの一方通行な情報伝達にならないように心がけました。博報堂/博報堂DYメディアパートナーズの社員は人前で話すことに慣れており、一人ひとりがその場で考え周りを惹きつけるプレゼンができる方ばかりです。そうした社員像も伝えられたことで、一時コメントが集まりすぎてサーバーダウンするなど学生からはかなりの反響がありました。改めて粒違いの社員がいてこその会社だと実感した瞬間でもあります。また、今まで人事部のメンバーが、採用における意図やメッセージ、具体的なスケジュールなどを詳らかに参加者に直接語りかけることは無かったのですが、それもあえて演出として組み込みました。採用施策を考えた当事者である人事が、自分たちの言葉で届ければ、学生も納得感を持って今後の選考に真剣に挑んでくれる。そう考えました。


山本が司会を務めて、朝から夕方までリアルタイムで生放送したのですが、合計6000人もの視聴者に参加していただくことができました。これは、一企業の会社説明会としては前例のない数字だそうです。

秋葉
グループ企業の力があったからこそ実現した取り組みでした。総合制作会社の博報堂プロダクツの協力などによって、ほぼすべてを内製することができました。これも、ほかの企業ではなかなかできないことだと思います。

小林
学生からの満足度も高く今年7月に、初めてインターンシップ説明会を同様にオンラインで実施したのですが、こちらには7500人の参加者がありました。3月に行ったオンライン説明会の実績があったからこその数字だと思います。

「ポジティブな就活」を実現するためのチャレンジを

──今後の取り組みの見通しをお聞かせください。


博’FES ONLINE 」イベント参加者からいただいたコメントには、「就活するのが楽しみになった」「早く博報堂のエントリーシートを書きたい」といったポジティブな内容がたくさんありました。それを読んで、僕たちの方向性は間違っていなかったと感じました。今後も現在のスタンスを保ちながら、最新の学生の動向に合わせて、新しいアイデアをどんどん実現していきたいと思っています。

秋葉
2022年度採用活動で一つの土台ができたので、今後はその土台を活用しながら、さらにその上に新しい施策を積み重ねていきたいです。

──最後に、現在就職活動に取り組んでいる、あるいはこれから就職活動を始める学生の皆さんへのメッセージをいただけますか。

山本
現代は「答えのない問いにあふれている時代」です。そんな時代に求められるのは、正しい答えを見つける力ではなく、自分なりの仮説を立てて、最後に自分の信じる道を迷いながらも突き進んでいける力だと考えています。そんな時に頼りになるのは、他の誰でもなく、自分自身です。就職活動は自分のホンネに向き合いぬくまたとないいい機会だと思いますし、そうした答えのない問い立ち向かってみたいと思っている人が本気で挑める採用の仕組みを、私たちも試行錯誤の日々ですが本気で作っていきたいと思っています。一緒に会える日を楽しみにしています。。

小林
私は就活のときに、企業に自分を合わせようとしすぎるあまり、自分の個性を発揮できなかった経験があります。これから就活に臨む皆さんは、企業に迎合せず、自分らしさを臆せずに出していってほしいと思います。決して就職することがゴールではないですからね。その中で、博報堂/博報堂DYメディアパートナーズについて興味をもってもらえたら嬉しいですし、。博報堂以外の会社に就職したとしても、その会社は博報堂のクライアントかもしれません。一緒に仕事ができることを、あるいはビジネスパートナーとして出会える日を、心から楽しみにしています。

秋葉
就活は受け身の姿勢から始まることが多いと思います。周りがやり始めたから、自分もやらなければならない。友だちがインターンに参加したから、自分も参加しなければならない──。僕もそんな感じでした。でも就活はもっとポジティブに主体的に取り組めるようになるべきです。だから僕たちは、一人でも多くの学生が就活に前向きに取り組んでもらえるようなチャレンジを続けていきます。会社を選ぶことは、自分の生き方や学び方を選ぶことです。目を輝かせて自分が目指す生き方やありたい未来について話してくれる。そんな人にたくさん出会いたいですね。


就活の中で自分が何者なのかがわからなくなることは誰にでもあります。実は、そこにこそ就活の価値があると僕は考えています。人生の中でそこまで自分に向かい合う機会はあまりないと思うからです。自分と真剣に向き合って、そして自分を信じて、楽しみながら就活に取り組んでほしいと思います。「学生が等身大の個性を発揮できる採用活動」という僕たちのコンセプトはこれからも変わりません。学歴も実績も関係ありません。自分の個性を信じ切れるかどうか。それが就活のすべてです。自分を信じ抜ける心を持った人に、ぜひ僕たちの仲間になってほしい。そう思っています。

瀬 和成
博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ 人事局 人事部
マネジメントプラナー

山本 桃子
博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ 人事局 人事部
マネジメントプラナー

秋葉 遼太
博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ 人事局 人事部
マネジメントプラナー

小林 由佳
博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ 人事局 人事部
マネジメントプラナー

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