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ラグビー国内リーグ開幕!データで見る 注目選手は!?
データスタジアム 兼 博報堂DYスポーツマーケティング 糸満盛晃
ラグビーの国内リーグ「ジャパンラグビートップリーグ」が開幕しました。
「ラグビーワールドカップ2015」で活躍した日本代表選手はもちろん、
各国からの代表選手も参戦していて目が離せません。
今回は、その日本代表を、“データ”の側面からサポートし、またトップリーグ公式アプリの運営も行う、
データスタジアム 兼 博報堂DYスポーツマーケティングの糸満盛晃さんに話を聞きました。
ワールドカップ日本代表を“データ”でサポート
2014年10月、データスタジアムはラグビー日本代表チームに試合の分析データを提供する「オフィシャルデータサプライヤー」として、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会と契約しました。エディ・ジョーンズ ヘッドコーチは、以前よりデータ活用には熱心と伺っていましたが、実際に日本代表のヘッドコーチに就任してからもデータへの要求は高かったようです。そういった要求に応えるべく、私どもは中島正太氏(代表チームアナリスト)と定期的に膝を突き合わせて、今どんなデータが必要なのか、議論・検討してきました。
提供したデータは、トップリーグに所属する選手のプレーデータ分析(200試合以上)や、対戦国分析(過去1年分のテストマッチなど40試合以上)など。選手のパフォーマンスチェックや対戦国の傾向・弱点の洗い出しを行い、戦術面に活用してもらえたと思います。
データ分析で、相手国のキーマンを封じ込めた!?
データスタジアムは2004年からトップリーグの全試合のデータを収集しています。当社オリジナルの「データスクラム」というソリューションを用い、パスやキックなど通常のプレー項目はもちろん、タックルの部位やラインアウトの参加人数・ジャンパーなど、1試合あたり約2,000以上もの膨大なプレーデータを取得、データベース化し、あらゆる角度から分析を行っています。データは映像とリンクしているので、どんなプレーかをすぐ確認することもできます。
データスクラムの特長は、回数などのスタッツはもちろん、位置情報から分析ができることです。例えば、相手チームのキックオフ(試合開始・再開または得点後にセンターラインから相手陣内へボールを蹴り込むこと)を調べたら右に多く蹴っている、さらに蹴りこんでいる位置を見てみると、22mライン付近やその手前に多く蹴っていることがわかったとします。過去数試合でそのような結果であれば、次の試合でもそうなる可能性が高いと予測し、その場所にキャッチの得意な選手を多く配置しボールキープ率を向上させることはもちろん、その後のアタックまで予めデザインすることができます。このように回数や位置の傾向を分析することで、今回のワールドカップにおいても、ある対戦国のキッカーを封じ込めることに成功した試合もあります。
面白さ倍増!データで見るラグビートップリーグ
五郎丸歩選手(ヤマハ発動機ジュビロ)のキックはもちろん注目ですが、そのほかにも注目すべき代表選手たちはたくさんいます。例えば、ワールドカップでは全試合に先発出場したトンプソン・ルーク選手(近鉄ライナーズ)とマイケル・ブロードハースト選手(リコーブラックラムズ)のタックル。ワールドカップ4試合での二人のタックル数はチームでそれぞれ2位と3位。トップのリーチ・マイケル選手(東芝ブレイブルーパス)とともに、ジャパンのディフェンスを牽引していました。バックスでは、同じく全試合先発出場の松島幸太朗選手(サントリーサンゴリアス)。ボールを持って相手ディフェンスラインを突破するラインブレイク数はチームトップでした。ぜひこの選手のボールキャリーにはご注目ください。
また、「エリアとボールのポゼッション」に注目して試合を観ても面白いと思います。今回のワールドカップでも多く見られましたが、出場する国はどこもキッカーの精度が高く、自陣でペナルティを犯してしまうとすぐに相手のペナルティーゴール(PG)から3点を失ってしまいます。ですので相手陣に向けキックを蹴って陣地を回復し、その後もなるべく敵陣でプレーする、といったチームの意図がお分かりいただけると思います。一方で、ボールを持っている時間が増えれば当然相手の攻撃機会が減るという考えから、とにかくマイボールのキープを重視するチームもあり、それらはチームの戦術に応じて変わってきます。ぜひこういった戦術面にもご注目ください。
ワールドカップ中継でもよく使われていた詳細なデータ(エリアやポゼッション、選手・チームの詳細スタッツ、選手プロフィール、ダイジェスト動画など)は、このトップリーグでは「トップリーグ公式アプリ」で楽しむことができます。データでラグビーを観るとまた違った面白さも味わえると思います。各種スタッツデータから、チームの戦術プランをイメージして、ぜひラグビーのさらなる魅力を発見してみてください。
※アプリのダウンロード
■Android版 → こちら
■iPhone版 → こちら
対応機種:Android(OS2.3以上)、iPhone(OS4.3以上)
事業主体:(公財)日本ラグビーフットボール協会、データスタジアム(株)
発売元:データスタジアム(株)