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~アスリートイメージ評価調査からわかること~ アスリートが人々に与える勇気と力
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博報堂ⅮYグループでは、アスリートのイメージに関する調査「アスリートイメージ評価調査」を2008年より開始、今年で13年目となりました。独自に開発したイメージ29項目で調査し、主にCMキャスティングの際の基礎データとして、さまざまなシーンで活用しています。今回は各年のデータからアスリートのイメージについて考えてみようと思います。

■大舞台での活躍が、認知度を押し上げる

まずは、アスリートの認知度について見ていきましょう。2008年からイチロー選手が1位になったのは11回。圧倒的な認知度の高さを見せています。メジャーリーグといった世界各国からの一流選手が競う試合での活躍が、日本国内でも多く報道され、認知度にも大きく影響したと考えられます。また、メジャーリーグが毎年定期的に行われるレギュラーシーズンということも多くのメディア露出量をつくりだしていたのではと思います。イチロー選手引退後、2020年では同じくメジャーリーグでサイヤング賞候補となったダルビッシュ有選手が1位となっています。
少し広げて、上位5人のアスリートで見てみます。ここ数年は錦織圭選手、大坂なおみ選手、羽生結弦選手が常連となり、ランキング入りしています。これらの選手に共通することはイチロー選手、ダルビッシュ有選手も含め、日本国内のみではなく、グローバルといった世界で活躍していること、それが日本国民に支持されているということだと解釈しています。

■その年ごとの活躍が、好意度を左右する

続いて、好意度はどうでしょうか。上位アスリートの入れ替わりが多く見られます。2014年と2015年の錦織圭選手、2016年と2017年の白井健三選手以外は2年連続で1位になったアスリートは見られません。これから考えられることは、その年の活躍や出来事などが好意度に影響しているということです。2014年の錦織圭選手は全米オープン男子シングルスで準優勝、白井健三選手は2016年リオデジャネイロオリンピックの団体総合で金メダル、2017年世界体操でも金メダルと活躍しています。最近では、2019年の福岡堅樹選手。ラグビーワールドカップ2019の日本代表としてプレーし、4トライを決め、日本国民を力づけました。
つまり、スポーツはアスリートの活躍により、良いニュースを発信することができます。世の中のニュースの多くは事件、事故、政治・経済などが多くを占めています。その中でも、スポーツニュースは、人々が明るくなれる情報といってもよいのではないでしょうか。

■世界の強豪に打ち勝ち、人々に勇気や力を与えてくれるアスリート

最後に「リーダーシップがある」アスリートについて見てみましょう。2011年に東日本大震災が起こりました。その翌年の「リーダーシップがある」アスリートには女子サッカーの澤穂希選手が1位となりました。澤穂希選手が活躍した2011FIFA女子ワールドカップ優勝というニュースは、震災で傷ついた日本に、立ち上がる勇気を与えました。2020年は野球日本代表の稲葉篤紀監督が1位です。前年には「2019WBSC プレミア12」の日本代表の監督として日本を大会初の優勝へ導きました。
アスリートの戦いの場は国内から世界へと広がります。その世界の強豪アスリートに打ち勝つこと。それが日本国民を明るくし、そういった肯定的な空気がアスリートのイメージをつくる大きな要素となっていると考えています。これからもアスリートたちは、日本国民に力を与えてくれる存在となることでしょう。

 

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武方浩紀 博報堂D Yメディアパートナーズ ナレッジイノベーション局

1995年博報堂入社。初任配属はイベントや博覧会を扱う事業本部。2004年よりメディアマーケティング局兼ラジオ局複属。主にメディア・コンテンツの再価値化調査を推進。現在は、ナレッジイノベーション局情報マネジメントグループでメディアDXなど情報分析及び発信を担当。

※執筆者の部署名は、執筆時のものであり現在の情報と異なる場合があります。

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