レポート
カンファレンス
Tealiumによる1st party dataのリアルタイム統合と活用【Tealium DIGITAL VELOCITY TOKYO 2018】
REPORT

Tealium社の主催する、デジタルトランスフォーメーションをテーマとした年次カンファレンス「Tealium DIGITAL VELOCITY TOKYO 2018」が開催されました。『Tealiumによる1st party dataのリアルタイム統合と活用。フルファネルマーケティングの実現に向けて』と題し、博報堂DYメディアパートナーズ メディアマーケットデザイン局 データドリブンマーケティング部 部長 竹下伸哉が登壇しました。

■Team AIMの立ち上げから1年。1st party dataのフルファネル化に向けて

博報堂DYメディアパートナーズの竹下です。本日のタイトルとしましては『Tealiumによる1st party dataのリアルタイム統合と活用。フルファネルマーケティングの実現に向けて』です。1年前にもこちらに立たせていただきましたが、今日はそこからさらにTealiumの活用度合いを上げたいまの現状と、我々の取り組みとして目指しているところのお話を中心にさせていただきたいと思います。

1年前から我々が取り組んできたことについて、まず2つのトピックをご紹介させていただきます。1つ目は、昨年発表した、「Team AIM(チーム・エイム)」という座組みについてです。博報堂DYグループだけではなく、TIS社、Tealium社と、必要な機能を相互補完しながら、マーケティング目線でTealiumの導入、運用、定着を進めていくチームを立ち上げて昨年から取り組んでまいりました。
昨年の立ち上げ時は、博報堂プロダクツはまだ参画していませんでしたが、現在はメンバーも増えてさらに取り組みを推進している状況です。

2つ目は、我々が取り組んできたTealiumの活用方法についてです。
これまでは、分かりやすく成果を上げて、活用度合いを高めていくという「広告配信の最適化」というアプローチを起点にやってまいりました。そこから広告配信の最適化で、ある程度めどがつき、今度はCRMで何かをやっていきたいときのタッチポイントにもTealiumを使ったり、本来Tealium社が目指しているペイドメディアとオウンドメディアの横断的な活用であったり、各企業がお持ちのデータも活用していくということに打って出たのが昨年のことでした。

今年はそれだけではなく、1st party dataのフルファネル化まで進めてみようと取り組んでいます。さらに来年度以降の話としては、AI技術などを取り込んだり、オーケストレーションの思想に則ったデータの共有活用について、さらにステージを上げていければと考えており、準備を進めております。

次に、これからのメインの取り組みとして、いま展開していることをご紹介させていただきます。博報堂DYグループが提供している各ソリューションを今一度整理し、「生活者 DATA WORKS」という名前で、体系立ててご提供を開始しました。現在我々博報堂DYグループは「生活者発想」をもとに、生活者データの充実を図ってきておりますが、その中でメディアのほうに落ちてくるデータを、改めてマーケティングに活用していくことを目的に、我々のデータアセットであったり、その基盤のさまざまな技術やシステム構築のノウハウ、そこの上に成り立つ各ソリューションといったものをそれぞれの領域で提供していく、ということになります。

なぜこの話をしているかといいますと、Tealium社のソリューションは我々が目指していることや、既存のソリューションと非常に相性が良いのです。メディアとマーケティングの領域をつないでいくときに、非常に重要な一部と捉えて一緒にお仕事をさせていただいています。タッチポイントを横断したものであったり、そこからまたデータが集まってくるものを統合したり、そもそも統合マーケティングとして活用していく、そういったときに重要になるものと我々は捉えています。

■Tealium社と博報堂DYグループが推進する2つの共同開発

先ほどお話した生活者 DATA WORKSの中核となる、「生活者DMP」にもさまざまなデータの集合体があります。Tealiumの1st party dataと、3rd Party Dataをつないでいくときに、まずはデータを連結させて貯めていく、統合させて蓄積する、ということが必要になってきています。これは日々いろんなクライアントと向き合うなかで感じる課題のひとつです。

そうしたときに、いろんな接点でクライアントさんが顧客とつながっているタッチポイントや、そこから何かを届けていくメディアを連携させるソリューションとして、Tealiumを用いて連携統合することが我々の目指しているところです。なので、我々が持っている生活者データと各社の持っているデータ、それをTealiumでつないで横断的に活用していくということを目指しています。

その一環としまして、ここ最近プレスリリースを2つ出させていただきました。Tealium社と博報堂DYホールディングスでマーケティングソリューションに関する共同開発契約を結び、共同でサービス開発を進めています。博報堂DYグループが中心となり、Tealiumをより活用するためのソリューション、カスタマイズしたものをご提供するというフェーズに今は入ってきております。ここで少しその概要をご紹介します。

1つ目は、博報堂DYグループが持っている生活者DMPの「Audience-One」とTealiumが、リアムタイムにデータ統合をする機能開発を終え、リリースが始まりました。(ご参考:10月26日プレスリリース
これは、Tealiumが入っている企業のウェブサイトなどで、Audience-Oneを同時にお使いいただいている場合、Tealiumのほうで察知した生活者の行動データを元に、Audience-Oneの情報をリアルタイムに引っ張ってくることで、生活者がどんな属性で、どんな嗜好性があるのかといった情報を、Tealiumの従来のバッジと組み合わせて、情報のひとつとして使えるようになります。それに応じて、また深くいろんなアクションができるような、きっかけとなるものとしてこれをリリースしました。

2つ目のリリースでは、D.A.コンソーシアム(以下DAC)でご提供している「DialogOne」とのシステム連携です。(ご参考:11月14日プレスリリース)こちらのほうもTealiumと連携度合いを深めた機能開発を終え、リリースを始めています。まだ順次バージョンアップもはかっていきますが、まずはDialogOneとの連携や、LINEのBeaconのようなものを使って、生活者が来店してくれたとか、アクションを取ってくれたという情報を、全部横断的に見て最終的には生活者がどこまでたどり着いたのかということを把握できる状況をどんどんつくっています。これもフルファネルの一つの手段だと思いますが、先ほどご紹介させていただいた生活者 DATA WORKSの中でも、ほかのさまざまなものと連携させていこうという動きに取り組んでおります。

最後に、博報堂DYグループでは、生活者データを使った“生活者データ・ドリブン”マーケティングというものを掲げて、マーケティング支援をさせていただいております。いろんなクライアントとご一緒してきたなかで得られた知見をもとにして、さまざまな企業の皆様にも同じようなご提案や、成功ケースをもたらすご協力ができればと考えております。

※事例紹介に関するプレゼンテーションについては、当日会場限定でのご紹介とさせていただいておりますため割愛いたします。

 

■プロフィール

竹下伸哉
博報堂DYメディアパートナーズ
メディアマーケットデザイン局 データドリブンマーケティング部 部長

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